2008年09月09日

念写について(超能力)

私はマジシャンでありながら超能力も好きで本などよく読む。

ただ、信じているわけではない。
「絶対存在しない。」と思っている。

「じゃあなぜそんな本を読むんだ?」と思われるかもしれないが、正直に言えば「確実に批判するため」である。

今回、なぜこんなことを書くかというと、意外と「詳しい」という人でも、かなり間違った情報を聞いているということである。

最近、ある人物と会ったのだが、その際、「念写マジック」というのがどういうものか、実際に見せてみた。

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「写真を撮るとイメージしたトランプが額に写る」という、古くはインスタントカメラ、今では携帯電話のカメラを使い行うマジックで、私は後者の携帯カメラで行っている。

私のやり方はトランプを使用せず、全く自由に心に思ったトランプを念写するというやり方だ。

トランプを使わないので、かなり気軽にできる。

もちろん、テンヨーの携帯サイト「マジックテイメント」の念写ではない。
他の方法だ。

この方法はかなり重宝している。

このマジックを見せた後、超能力の存在を信じているその人物がこう言い始めた。

「念写は日本発の超能力なんだよ。福来友吉博士が1910年に御船千鶴子と長尾郁子を実験対象に世界で初めてその存在を確認したんだ。
でも当時のマスコミがトリックと書き立て、世間からの迫害をうけ2人とも自殺したんだ。」

・・・おいおい、どこで聞いたんだそんなでたらめ。

「常識だよ。本やTVでも同じことを言ってる。知らないのか?」

本やTVをそのまま鵜呑みにしてるわけ?
色々な本や情報を仕入れて自分で調べてから人に説明しなよ。

「なに?じゃあ間違ってるというわけ?」

その通り。
まず念写は日本発じゃない。
19世紀からロシアやアメリカなどですでに確認されている。
1910年は当然20世紀だから「世界で初めて」ではないし「日本発」でもないよ。
また御船千鶴子は自殺だけど、長尾郁子は1911年2月26日にインフルエンザで急死したんだ。

「いや、でも御船千鶴子はマスコミの報道のせいで周りのひどい迫害を受けて自殺したのは事実だろ!」

それも違う。
御船千鶴子は1911年1月19日未明の死亡、マスコミが「御船千鶴子も詐欺師」と報じたのはその夕方だよ。
記事も出てないのにマスコミの報道のせいで周りのひどい迫害を受けて自殺は出来ないだろう?
これは調べればすぐに分かるけど、御船千鶴子の父親がこの能力を利用してお金儲けをしようとしたが、御船千鶴子自身、利欲に薄い性格で「お金儲け」自体を嫌がり悩んで、その挙句に重クロム酸を飲み自殺したのが真相。
つまり家庭内のいざこざで、これは当時、地元の熊本では有名な話だったんだよ。

「・・・」

今回、話はこれだけにしておきますが、「こう言う話が好き」という人でも、間違えて覚えているんじゃないでしょうか?

「批判するなら自分の限界まで徹底的に調べて」というのはマジックにも通じます。

いい加減な内容を広めると後が大変です。
(もっとも、こう言う人は責任すら感じていないのだろうが。)

最低限のマナーとして「自分の限界まで徹底的に調べて」は覚えておいて欲しいものです。

という私自身、まだまだなのですが・・・。
posted by 葵栄治 at 00:20| 兵庫 ☀| マジック雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする